碾臼の設計要項
碾臼の設計要項

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 【碾臼設計の要点
碾臼の寸法  製粉量(単位時間当たり)により碾臼の直径を決める。
 碾臼の直径により上臼・下臼の寸法及び上臼の重量を決め臼面圧を算出する。臼面圧は粉質を決定する重要な一要素です。
 回転方向(時計回り、反時計回り)により溝方向を決める。 
 ※回転方向は粉質になんら影響はない。好みの問題です。
回転数  毎分15〜20回転と固定もできるが原料により、(外周速制御)可変速・不等速回転での対応する。(無段変速)
目立方法  原料の粒径により溝の深さ・巾・目立方式(ダルダル、シャープシャ−プ、シャ−プダルetc )を決める。
すり合わせ  臼面の半径の1/3位(外周から)を密接触させる部分。すり合わせ部の表面粗さは製粉後の粉質・紛体粒度別(粗紛、微紛)により変わる。
溝(目)  主溝は中心または、接線起線させて分割する。
 副溝間隔は粉質により決める。
 笹目、副々溝の切方向は、粉質により決定する。
 溝の間隔は臼面のランドの巾で直接の粉砕(剪断)の仕事面である。
 溝は粉砕後の粉の送出道であり粉砕熱の放出経路にもなる。
 溝には直線溝と曲線溝があり、その違いは上臼と下臼の溝の交差角が回転中常に変角か等角になるかである。
 溝の交差様相とともに原料の搬出速度・粉砕速度・剪断力に関係してくる。
 溝(目)の分画は一般に6分画または8分画etcガある。
 溝(目)には主溝及び、副溝を外周まで刻むやり方と外周より内側で止め、外周平滑臼面を設けるやり方がある。 
 やり方の違いは原料の性質(穀物、植物繊維葉等)で決まる。
下臼の勾配  勾配(張り)のとり方は、溝のパタ−ンによる原料の送出作用と粉砕速度、滞留時間の調整を重力作用とともに加味される。
 僅かの臼面の表面積が増加を促す。
原料の供給方式  碾臼が回転可能状態で、上臼の重量バランスを考え片ベリ防止対策として供給方式を中心供給か、二方向供給がある。

【碾臼の製作ポイント】
【クリアランス(ふくみ)の取り方】
 原料供給口付近では投入する原料の最小粒径より小さい寸法を設定する。
 原料が投入されて碾臼が回転製粉始めると、やや少し上臼が浮き気味になる方が自然に製粉される。原料の質で上臼の浮き沈みが変化するので、現物合わせで調整していく。
 一般にフクミの少ないものほど副溝を数多く切ってあり逆に大きなフクミを有する臼は数少ない目の副溝となっている。
【すり合わせ部の款合】
 外周部と中心部のクリアランス(ふくみ)が無いと製粉不能となる。
 外周縁部をふくみ無しに幅をどの位で擦合密触させるかは、投入される原料、製粉後の粉質によって異なる。 ソバ製粉・ヨモギ製粉等は原料の碾分として、1番臼(粗)、2番臼(中)、3番臼(微)と粉粒別に碾臼を分けた方がよい。
 碾臼の摩耗についても考慮する必要があって、石臼の石材質とそれに合わせた『目立て』が大きく影響し、経験的要素が大きくものをいう。擦合密触精度が石臼硬度が部分一様でないので困難きわまる。
【主溝、副溝の深さについて】
 溝が深ければ送出されてくる粉の速度は遅くなり、浅ければ速くなる。
 しかし、浅すぎれば粉が溝に詰まりやすくなる。このバランスを取るのは経験にたよるしかない。
 フクミの少ないものほど深く 逆に大きなフクミを有する臼は浅い目の溝となっている。
【直線目と曲線目】
 加工としては 直線目はそう難しくない目立法だが、曲線目は角度が距離とともに変化していき、それに応じた『目立て』をしなければならないので、直線目と比べれば大変難しい。
 交差角を一定(等角)にするための曲線は、指数関数曲線で求められる。
 他、粉の送出方法により各数の方程式は交錯状態のメカニズムにより求められ、 当工房のデ−タ より臼面に墨つけをして加工します。

古来からの碾臼を再現する。
【国内での碾臼の製作所】
製作所名 住所等
佐藤工房 福島県耶麻郡山都町 技能士
小野田石材店  
杉田石材店  
佐藤石材店  
小林石材店  
大千里石材店  
有山石材   
渡辺石材   
保坂石材   
伊藤聖悦 彫刻家 手加工にて石臼加工製作
清水石材店 石臼専門
山口石材店 技能士
製粉機メ−カ− は石臼を仕入後、調整して販売している。