小麦粉 小麦の穂の画像 小麦粉



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小麦粉のいろは
                       たん白質の量と質

 小麦粉の主成分はでん粉であるが、小麦粉の性質を左右するのはたん白質の量と質である。
 小麦粉のたん白質はグルテニン、ダリアジンが主成分で、そのほかアルプミン、グロプリン、プロテオーズなどから成っているが、グリアジン、グルテニンが80%を占めている。
 グリアジン、グルテニンの混合物をグルテンと呼んでおり、この量と質が作る物に大きな影響を及ぼす。

                        小麦の構造と質

 小麦の中心部は灰分量の少なく、純良な小麦粉はこの中心部のみを選び出してつくられる。そして外皮に向かって灰分量が多くなり、皮部でその量は6%で胚乳部の約20倍にもなって、その灰分が混ざることにより質(等級)が下がる。
 小麦の製粉は、製粉機で挽砕し篩機で篩う操作を繰り返して、小麦粉と皮にとり分けられるが、挽砕が進むにつれて、皮部の粉への切れ込みが多くなるので、灰分量の多い小麦粉ができる。これが2等粉、3等粉になる。

                            小麦の断面説明画像

 胚乳
 小麦粒の約83%を占め、糖質、たん白質等が主成分ですが、 粒の中心部と周辺部では各成分の含有量に差があります

  澱粉層
 食用の他にのりとしての需要も多い

 表皮
 小麦粒の約15%を占め、製粉工場のなかで胚乳と分けられ、 ふすまとなって家畜の飼料に使われます。

 胚芽
 小麦粒の約2%しか占めていませんが、脂質、たん白質、ミネラル、 ビタミン等いろいろな栄養素がたくさん含まれていて、健康食品等に利用されます。

 グルテン
 小麦粉のタンパク質は「グルテン」と呼ばれます。小麦粉に水を加えてこねると、小麦に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2つのたんぱく質から小麦粉特有の弾力性と粘着性をもったグルテンが作られます。
 パンがふっくらとふくらんだり、うどんや中華めんのシコシコした歯ごたえは、グルテンによるものです。
 米やトウモロコシ等の穀物の粉は、グルテンがないので小麦粉のような幅広い調理加工には及びません。

                             小麦粉ができるまで

小麦粉の荷受け(輸入)   サイロ  原料タンク    精選・調質(原料精選機=小麦に混ざっている雑物を

取り除く)   調質タンク(小麦に少量の水を加え粉砕しやすくする)  挽砕(ロール機=小麦を粉砕しふるいに

かけさらに別のロール機にかけられる)  ふるい分け・仕上げ(ふるい機=粉砕した小麦粉を粉とふすまに分ける) 

  ピュリファイヤー(粉砕した小麦の胚乳部を振動ふるいと風力で純化する)  粉サイロ(製粉された粉を貯蔵

する)  再ふるい機  包装(業務用=大袋包装機、家庭用包装機=小袋包装機)  金属検出機  

検量機  出荷
                          小麦粉の分類

 小麦粉を分類すると、たん白質の量によって、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉と分けられる。さらにそれぞれの種類に品質によって特等粉、1等粉、2等紛、3等粉、末粉などと等級がつけられている。これは基本的には灰分量や色相による分け方で、小麦の皮部に近い程、灰分量が多くなり、色が悪くなるため等級も下がってくることになる。

種類 等級 たん白量 灰分量 主な用途
強 力 粉 11.8%以上 0.38%以下 高級パン、マカロニ
12.5%以上 0.50%以下 パン
14.5%以上 0.9%以下 グルタミン酸ソーダ
末粉 1.5〜2.0
準強力粉 11.5%以上 0.38%以下 菓子パン、中華めん
12.0%以上 0.52%以下 中華めん
末粉 1.5〜2.0
中 力 粉 8.0%以上 0.38%以下 うどん、菓子
9.0%以上 0.48%以下 うどん、菓子
末粉 1.5〜2.0
薄 力 粉 6.5%以上 0.35%以下 カステラ、ケーキ
7.0%以上 0.38%以下 ケーキ、ビスケット
8.5%以上 0.52%以下 ビスケット
末粉 1.5〜2.0

 分類は小麦の質(硬質、軟質)により変わり、単純にたん白質の量を調整すれば用途も変わるものではない。
 強力粉は強力粉であり薄力粉になりえない。
 用途に合わせて小麦粉を選択して使うことが一番大事です。
 また小麦粉性質のデータは同じでも作り方が変わることもある。小麦粉の選択にあたっては、もっとも簡単でもっとも確実なのは実際に作ってみること。
 小麦粉の栄養成分
                                                    (可食分100g当たり)
成 分  小麦粉の種類  
強力粉  中力粉  薄力粉 
 エネルギー  366Kcal 368Kcal  368Kcal 
 水 分 14.5g   14.0g 14.0g 
 脂 質  1.8g 1.8g  1.7g 
 炭水化物 71.6g  74.8g  75.9g 
(食物繊維 )  (2.7g) (2.8g)  (2.5g) 
 灰 分  0.4g 0.4g  0.4g 
 無機質    カルシウム  20r  20r 23r 
 リ ン  75r 75r  70r 
   1.0r 0.6r  0.6r 
 ナトリウム  2.0r  2.0r 2.0r 
  ビタミン  B1  0.10r 0.12r  0.13r 
 B2  0.05r 0.04r  0.04r 
 ナイアシン  0.9r 0.7r  0.7r 
【コラム】小麦粉の知識

上手な買い方

 上記の分類の用途別を参考に、強力粉、中力粉、薄力粉の種類を確かめて、必要な分だけ 買って、開封したらできるだけ早く使い切ってしまいましょう。そうすると虫やカビの 害からまぬかれます。

上手な保存法

『ニオイが嫌い』
 小麦粉は、ニオイがつきやすい性質を持っていますので、洗剤、灯油、化粧品等のニオイ の強いものといっしょに保存するのは、さけましょう。

『湿気もニガ手』
 湿気は虫やカビの原因になります。涼しい乾燥した場所に保存しましょう。

『虫の侵入に注意』
 使い残した小麦粉は、缶や瓶等に移し替え、虫や異物が入らないように密封しましょう。

上手な使い方

『よくふってから』
小麦粉は、よくふってから使いましょう。ベーキングパウダーを使う時は、粉といっしょにふるうと均一に混ざります

『使った粉はもとの袋にもどさない』
 小麦粉は、必要な量だけ袋から取り出し、天ぷらやフライなどで肉や魚にふれた小麦粉は、 カビやかたまりの原因になりますので、もとの袋にはもどさないようにしましょう。

使い方のタブー
 ドーナツ、アメリカンドッグ、スペイン風揚げ菓子などの生地(きじ)を油で揚げるときは、生地中の水分や空気 が急激に加熱膨張して、油が飛び散り、やけどをする危険がありますので、下記の注意を守って下さい。
ドーナツ、アメリカンドッグなど、小麦粉100gに水80cc以下で練った生地を揚げる場合は、砂糖10g以上とベーキングパウダー3g以上の両方を必ず入れて下さい。
スペイン風揚げ菓子など,小麦粉を熱湯で練った生地を揚げる場合は、必ず星型の口金で絞り出して表面積を大きくしたり、生地の表面を荒らして下さい。

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