【なぜ石臼(碾臼)でひくと、そばがうまいか?】 |
【粉焼けがない】
石臼の回転スピードは石臼の外周辺で秒速0.5〜1メートル、中央部ではこれよりはるかに小さい。
それにたいして高速製粉機はその10〜100倍の速度である。
粉砕物にかかる粉砕エネルギーは速度の自乗に比例するから、石臼の100〜1000倍という驚くべき値になる。
このエネルギーは瞬間的に穀粒の局部に集中し粉砕が行われるが、穀粒が割れるのに必要なエネルギーは実質上その1パーセント以下で、あとは歪エネルギーとして穀粒の局部に拡がり、その結果、局部には著しい高熱を発生する。 |
【閉じ込め粉砕】
石臼面に閉じ込めた状態で粉砕するから、香りが飛ばず、粉塵発生もない。 |
【プレンディング効果】
石臼は粉砕と同時に石臼面で粉を練る機能を持っている。
石臼で粉砕した粉を顕微鏡で見ると、大きい粒のまわりに微粒子がまぶされた状態になっていることが分かる。これはソバを練るときによい効果をもつと考えられる。 |
【ペンチレーション効果】
臼面の溝、とくに上臼の溝は通気性がよいから臼面に熱がこもるのを防いでいる。 |
【磨砕効果】
一般に角がとれた丸い粒子になる。 |
【剪断粉砕効果】
叩くよりも剥がしてゆくような作用で粉砕するのが繊維状物質の繊維自体を粉砕しない粉砕に適する |
【石の粗面効果】
石特有の微細表面構造が摩擦係数を一定に保つ作用をする。 |
参考文献
『そばうどん』柴田書店
特集「復活した石臼」三輪茂雄著 |