江持石を用いた焼肉用石板の開発

 須賀川市で産出する安山岩の一種である「江持石」は墓石や敷石、石塀などに用いられていましたが、近年では中国産石材の流入により消費量が落ち込んでおり、問題となっています。一方須賀川市では江持石を利用した地域おこしに取り組んでおり、彫刻フェスティバル開催や街中へのオブジェ設置を行っています。今回従来のイメージから脱却できる新製品で、地域おこしに貢献できるものとして焼肉用石板の開発をしたいとの要望が寄せられました。

 しかし江持石は外観がコンクリートに似た灰色でこの上で食材を扱うのにふさわしくないと思われること、吸水率が高く調理後の汚れが落ちにくいと予想されること、さらにクリストバライトを多く含むので加熱-冷却を繰り返す使用条件下ではクラックの発生が懸念されることなどが問題と考えられました。

 そこで本研究では江持石を焼成することにより、これらの問題の解決を図り、焼肉用石板を試作しました。

研究開発部 材料技術グループ  加藤和裕
会津若松技術支援センター 産業工芸グループ  山崎智史、水野善幸

(下)図1 還元雰囲気下1100~1250℃での焼成品

還元雰囲気下1100~1250℃での焼成品の図

(下)図2 還元雰囲気下1250℃焼成品による調理

還元雰囲気下1250℃焼成品による調理の図

(下)図3 試作した石板

試作した石板の図